リッチブラックで引き締まった黒
「デザインパワー」020 超得カラー配色術-5
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今回のテーマは「カラー」です。
前回は「赤色」の持つパワーをお話ししましたが、今回は「黒」です。
「黒」はデザインの上では絶対に欠かせない色です。
どんな印刷物にもたいてい「黒」は使われています。文字が多いですね。
色彩の中で「最も暗い色」という特徴を持っているので、コントラストが
得やすく、文字の認識がしやすいからです。
デザインをしていると、文字以外にもいろいろと「黒」は活躍してくれます。
モノクロームでシックなデザイン、フレームを黒で引き締める、
黒ベースのバックに小さめの白抜き文字で高級感を演出・・・etc.
そんなときに知っておくと、仕上がりがまるで変わる!
同じ「黒」でも、全く異なる「黒」を表現できる裏技があります。
・・・それが「リッチブラック」です。
今回は印刷物でよく出てくるこの「リッチブラック」のお話し。
印刷物以外でも、色彩の考え方としては、とても重要な要素ですので、
印刷物に縁のない方も、雑学としてどうぞ。
◆◆◆ リッチなブラック? ◆◆◆
一般的に「黒」と呼んでいる色ですが、実はものすごく種類があります。
試しに身近にある黒いものを2つ持ってきて、並べて比べてみて下さい。
微妙にですが、違う色であることが分かると思います。
赤味があったり、青味があったり、グレーっぽかったり。。。
ぱっと見の印象では、「黒」という大きなくくりでしか認識されないので
「同じ色」と思い込んでますが、実はこのように「違う色」で、
デザインやイメージに大きな影響を与えているのです。
イラストレーターやフォトショップなどのアプリケーションでデザインを
していると、必ず出てくる色の指定方法がCMYKです。
C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラック、この4色で
フルカラーを表現しようというやり方です。
通常「黒」といった場合には、K-100%のことですが、「リッチブラック」
というのは、K:黒以外のC、M、Yも色を入れることをいいます。
CMYKでいうと、C-100%、M-100%、Y-100%、K-100%、が本当の
「リッチブラック」、贅沢な黒というわけです。
誰が命名したかは分かりませんが、なんか良いですよね、響きが。
「リッチブラック」ちょっと得した気分になります(*^_^*)
◆◆◆ 実際に使ってみた ◆◆◆
「リッチブラック」、なんかいいなぁ。。。
どっかで使ってデザインしてみたいなぁ。。。
と思っていたら、ピッタシの印刷物がデザイン業務で出てきました!
フェラーリなどの高級外車の中古車を扱うショップのロゴマークデザイン。
意識していたわけではないのだけど、モノクロにシルバーのアクセント
という高級感を演出したデザインになりました。
名刺とステッカー作成の依頼が来たので、ここぞ!とばかりに「黒」の
部分を「リッチブラック」で手配データ作成。発注しました。
上がってきた印刷物は。。。
ほんとリッチなブラック!大成功!
エスプリコートというミラーコート紙(ツヤッツヤ)にリッチブラックで
C-100%、M-100%、Y-100%、K-100%の指定。
しっとりとした深みのある黒に、白抜き文字も奇麗に出ていて、
最高に高級感のある仕上がりになりました。
裏面は、少し落ち着いた感じが欲しかったのと、表面との差を付けたかった
ので、普通の黒・K-100%を使った白黒でデザイン。
表面のリッチブラックと比べると、色合いが全然違う!ビックリ!
なんで今まで知らなかったんだろう?と、ちょっぴし後悔しました。
デザインパワーで、同じ値段でもより高級感のある名刺が作れたことに、
これからもデザイン精進しよう!と少し熱くなりました。
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最後にちょっとだけ「リッチブラック」の注意点を。
今回は、ねらい通り見事にはまってくれた「リッチブラック」ですが、
扱い方には少し注意が必要です。
まず「リッチブラック」は、CMYKの4色を掛け合わせて表現するので、細かな
白抜き文字などがある場合には、印刷時に4色の版がピッタリ合ってくれない
と「版ズレ」と呼ばれる状態になりやすいのです。
次に、今回指定した「リッチブラック」は、深みのある高級感が欲しかった
ので、4色全部100%、C-100%、M-100%、Y-100%、K-100%の指定でした。
でも、この指定、ほんとは印刷屋さん泣かせなのです。
4色全部100%ということは、インクが4倍乗る→乾きにくい、ということ。
乾きにくい状態で、印刷された名刺が重なると、裏にインクが付くことが
あるのです。そうなると検品ではじくしかありません。
このように、少し注意が必要なリッチブラック。
今回は印刷屋さんに事前に了解を得て、発注したので問題ありませんでした。
印刷屋さんによっては、4色全部100%ではなくて、
C-60%、M-40%、Y-40%、K-100%、くらいを推奨するところもありますので、
確認しながら進めて下さい。
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このように「黒」のカラー・パワーは、まだまだあります。
ちょっとずつですが、紹介していきますね!
今回のデザインパワーは、
・「リッチブラック」でリッチなデザイン?
でした。
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これは持っておきたいデザイン書籍
【【カラー・ルールズ
色とデザインについて知っておきたいこと】】
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カラーや配色については「センス」とか「感覚」で語られることが多いです。
「私は色のセンスが昔からないから、、、。」とか
「あの人は色彩感覚がいいよね。」とか
でも、「センス」とか「感覚」が無いと上手にできないと思われている「配色」には、
デザインするときに知っておきたいいくつかの 「ルール」 があります。
「色のセンス」がいい人も、「色彩感覚」に優れた人も、その「ルール」を知っていて、
テクニックとして身につけているのです。
「カラー」「色彩」は、人の心理に大きく働きかける、デザインの中でも重要な要素です。
まずは、「カラー」「色彩」の基礎知識を「ルール」として知っておくことで、
「配色」で悩むこと無く、デザインパワーをより引き出すデザインを!
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オススメ書籍!PicUp!
【【カラーイメージスケール】】
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デザインをしていて「色」を選ぶときには、
「和風の色」とか「モダンな色」といったイメージで選ぶことが多いですよね。
そこで、そのようなイメージキーワードで索引をひくことができるのが、コレ!
逆引きで「イメージ」から「色」が選べるので、大変重宝しますよ。
わたしの持っている【カラーイメージスケール】は使いすぎて、
もうページが何枚かはずれてしまっています。
周りのデザイナーも、なにげにみんな持っているという、
隠れたバイブル的な存在の色彩本です。
色で悩んだ経験のある方、これで悩み解消です!
この記事は、本サイト発行のメルマガ「デザインパワー」をもとに編集してあります。
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